カラコルムを出てしばらくすると、世界遺産のビルゲカガン遺跡、ホショーツァイダム博物館に着く。草原の中にポツンと区切られた塀の中に大きな石碑が残る。七百三十四年に没したビルゲカガンという、突厥時代の王の墓の跡だそうだが、全方位草原が広がる中で、そのような遺跡があることに想像力が追いつかない。
遺跡の中は石器のかけらのようなものが落ちていて、何か貴重なものでなはないかと、気になって仕方がない。入り口の門を開けておくと羊が中に入ってきて、糞だらけになるからしっかり閉めるようにと、少し離れたところの博物館の人から注意を受けたが、実際中は足の踏み場もないほどの糞だ。でもだれも気にしていない。日本の世界遺産とは大違いでゆっくりと見ることができる。
遺跡を見る前に、博物館を見ておくとその概要が一望できて良い。博物館に寄ってから行けば、ミニチュアと比較してかつての様子を想像することができる。