大阪の街でいつも行列ができているのが、551蓬莱の豚饅だ。
私は並ぶのが嫌いなので、決して食べることは無いだろうと思っていたが、南海難波駅の改札口の中にある551で誰も並んでいなかったので、思わず買ってしまった。
皮はどうということもない普通の肉まんの皮だが、餡の肉が厚い。普通の肉まんは餡がそれほど固まっていないことが多いと思うが、シュウマイのように餡が固まっている。でも、噛むとほぐれて口の中で分離するのだが、わずかな肉汁が滲み出てくる。これがジワリと口の中に広がり、思わず顔がにやけてしまう。
なるほどこれは肉まんではなく、大きな小籠包と言えるかもしれない。
でも、小籠包ほど中にスープが入っているということでもなく、スープを抜いた大きな小籠包といったところだろうか。
伊丹空港の中にも551蓬莱があるのだが、考えられないくらいの長い行列ができている。出発まで余った時間をそこで潰しているのかもしれないが、飛行機の中で豚まんの匂いを拡散させると、お腹が空くのでやめてほしいと思うが、特にそのような匂いが流れてくることもないので、東京の人は買わないのだろうか。私も知らなかったので、あまり知られていないのかもしれない。
あれはクセになる味だ。こうして書いている時にも、あの味が口の中に甦ってきて、食べたくなる。お腹が空いているせいかもしれないけれど。きっと何か秘伝の妙薬を混ぜているに違いない。
また並んでいない店を発見した時には、買っても良いかなと思う。お土産にいただけると嬉しいかもしれない。そうか、だから行列が出来るのか。それでも私は並ばないけれど。
