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とりあえずやってみよう。考えるのはそのあとだ。


自動車保険の選び方 契約件数が急激に伸びている自動車保険は避ける



保険会社の法務コンプライアンス部員だった私が、加入を避けたほうが良いと考える自動車保険は、契約件数が急激に伸びている保険会社の自動車保険です。人気があるのになぜ避けたほうが良いのでしょう。

人気で選べばあとで困る

契約件数が伸びることには理由があります。

保険料が安かったり、新しい特約がついていたり、コマーシャルが積極的に放送されていたり、ネットでの広告が多く出稿されていたり。原因は様々です。

だれでも、人気のない自動車保険よりは、人気のある自動車保険に加入したいと思うでしょう。

その考えは、決して間違いではありません。でも、その結果、どのようなことが自身に起きるか。この点については、事前に考えておいたほうが良いかと思います。

契約の伸びに事故処理の体制が追いつかない

注意が必要なのは、急激に成長している保険会社の自動車保険です。

保険料が安く、新サービスも付いている。となれば、加入しても間違いはないだろう。そう考えがちです。

でも、ちょっと待ってください。少しだけ保険会社の立場になって考えてみましょう。

保険会社は、これは売れる、と思って販売を決めるわけです。でも実際のところ、どれくらい契約件数が伸びるかまでは、わかりません。

問い合わせの電話が殺到すれば、電話で説明をするオペレーターの数を、増やさなければなりません。

しかし、人を採用すれば人件費がかかります。電話をとってもとらなくても、採用すれば人件費はかかります。

実際に売ってみないことには、どれほどの人数を採用して、研修をしなければならないか、決めることはできません。

結局のところ、販売開始から数ヶ月は、販売状況の推移を確認することになります。

事故を担当する「人」が大事

困るのは、事故処理を担当する社員の体制です。

契約件数がわかれば、ある程度必要な人数が想定できます。

しかし、契約件数が予測できなければ、事故発生件数もやはり予測はできません。

契約件数が伸びなければ、採用してもコストがかさむばかりです。

特に、事故処理を担当する社員の場合、経験と知識とスキルが必要です。当然、経験者を採用することになります。

すると他社から引き抜くことになります。

でも、他社よりも安く引き抜かなければ、他社よりも安く販売することはできません。

保険料が安い、ということは、基本的に現場の総人件費が安くなる、ということです。

高い給料の会社を辞めて、安い給料の会社に移るということは、一般的には考えられません。

ほとんどの場合、新しい会社で頑張ってみようと考える、志のある人です。でも、ときどき、他社にいられなくなって、大量採用に紛れて、入社してくる人もいます。

そのような人が担当になれば、その契約者は困った状況に追い込まれることになるかもしれません。

保険の場合、同じ商品が百貨店では高いのに、スーパーでは安く買える、ということとは違うのです。

保険は、担当する人によって支えられています。同じ保険料を支払っても、担当する人によって、サービスレベルが変わる商品なのです。

苦情を確認しよう

契約件数が急激に伸びると、まず販売を担当するオペレーターの数が不足します。

そして、契約時の説明が足りない状況となり、加入後のトラブルが発生します。

なにはさておき、契約件数が伸びなければ、採算割れとなりますから、まずは契約件数を増やすことに保険会社は注力します。

従って、保険会社からすれば、できるだけ抑えたい保険金の支出に関係する、保険金支払い担当部門の整備は、後回しになります。

特に保険金支払い部門は、誰でも良いというわけには行かないので、採用活動も難航します。

販売担当オペレーターのスキルを持つ人は、それなりに見つかります。しかし、事故処理となれば、そう簡単ではありません。

採用活動の優先順位は、まずは利益に直結する販売担当オペレーター、次に既契約者担当のオペレーター。そして、最後に、契約者としては、いちばん大事な保険金支払い担当者、となるわけですが、これがなかなか見つからない。

すると、保険金支払いのところで、苦情が大量に発生する、ということになりやすいのです。

現在の状況を簡単に知りたければ、日本損害保険協会の公表する、各社の苦情数を確認することが一番です。

その見方については、下記のリンク先で説明していますのでご確認ください。

https://genice.net/insurance/non-life/car-ins-vehicle/

https://genice.net/insurance/before-compare-ins/

 

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