Just do it !

とりあえずやってみよう。考えるのはそのあとだ。


日本の鉄道の信頼性

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飛鳥時代の遺跡を見た帰り、橿原神宮前駅から吉野口駅で和歌山方面へ乗り換えて、高野山の麓の駅、橋本駅まで帰ろうとした時のこと。

方法はふた通りあって、一つは最短距離の吉野口駅経由の方法。もう一つは大阪の近くまで戻って橋本駅まで行く方法。

確実なのは都心方面に一度戻ってから、また外へ向かう方法。これだと電車の本数はあるけれども、遠回り。

吉野口駅経由だと、距離は近いけれど、もしも乗り遅れた時には、次の電車がなかなか来ない。電車の発車時刻まであと五分。迷いに迷って、ここは日本だ、JRを信じよう、ということにした。

もしも乗り継ぎがうまくいかなければ、一時間山の中のホームで待つことになる。

橿原神宮前駅を出発した電車。順調に進む。今日一日かかって歩いたところをものの数分で戻り、やがて吉野口駅へ着く。

来る時も同じルートだったので、乗り換え方法もわかっていた。だから時間のない乗り換えでも、それほど心配はしていなかった。

乗り換え時間は三分。

近鉄からJRへ乗り換えるので、Suicaを一度ホームにある改札機でタッチしなければならないが、それも来る時にやっていたから、どこにあるかもわかる。

階段下とホームの上にもある。三分あればホームの移動も含めて問題ない。

そろそろ着くぞ、と思い、時計を見たら、なんともう発車時刻となっている。

ホームを見ると、乗るはずの電車が既に駅のホームに止まっている。五条行きの電車であることを目視して確認した。ホームが違う。隣のホームだ。

でも、何人かは乗り換えるのだろう、と思っていたら、乗り換える人など他にいない。車両を見渡しても、私以外は皆座ったままだ。

止まる前にドアの前に立ち、乗り換え用の階段を目で確認する。あの階段を降りて、次の階段を上る前にSuicaを改札機にタッチしてから階段を駆け上がる。

頭の中で一度手順を確認してから、ホームに飛び出す。

階段を降りるともう一人降りてくる人がいる。随分とゆっくりしている。

私が駆け降りているのを見て、つられて早足になった。のんびりしていると、電車が出てしまうよ、と頭の中で思いながら、階段を小走りに降りて、地下通路を走り、階段の上り始めに置いてある改札機にアップルウォッチのはめてある、手首を差し出し、ピッ!と音がしたのを確認して、階段を駆け上がる。

もう一人は反対側の階段を駆け上っている。そっちから行くと、電車から遠くなるよ、と思いながらホームに上がると、先頭車両のドアがまだ開いている。席がかなり埋まっているので、急いで次の車両まで走って行き、飛び乗ると、ドアが閉まります、のアナウンスとともに、バシャッと後ろでドアが閉まる音。

間に合った。

ホームに電車が滑り込む時、すでに発車時刻を過ぎていた。

JRは発車時刻をあきらかに数分は過ぎていたのに、乗り換え客を待ってくれていた。

海外であれば、乗り換えに三十分くらいはないと、怖くて出来ない。アナウンスも無しにいきなり動き出すことはざらにある。ヨーロッパでは動き出した電車に走りながら飛び乗ったこともある。

さすがだな。日本の鉄道は違うと思った。

日本の鉄道は本当に信頼できる。