Just do it !

とりあえずやってみよう。考えるのはそのあとだ。


働き方改革といいながら官僚を定時で帰らせない政治家が二枚舌でないわけがない

働き方にも色々ある。たいていの場合、学校を卒業して、そのまま就職する。就職した会社の職種が自分の仕事になる。これはある意味運任せだ。自分で仕事は選べることになってはいるが、実際のところ、誰もが憧れる仕事に就けるわけではない。

東大に行けば、何となく役人になろうと思うかもしれない。早稲田に行くと何となくメディアの仕事につこうと考えがちだ。周りがそのような集団だと、特に心に決めた仕事がある者以外は、集団の雰囲気に流される。

家が農家なら、頭の片隅で農業を仕事とすることを考えるだろう。お店を開いている家の子は、そのお店を継ぐことを暗黙のうちに求められているかもしれない。

家が農家でも、次男から後に生まれてきた場合、働きに出ることが求められる。長男が農家を継いだとして、次男から下の兄弟に十分な財産が配分されるかというと、それもなかなか難しい。

親から仕事を引き継げたとして、それでうまくいく保証はない。その子供にあっている仕事でなければ、継いだとしても不幸なだけだ。人それぞれ向き不向きがある。

今日本では急速に少子高齢化が進み、人口減少が確実な情勢だ。人口が増えている時は、仕事も働く人も増えていくが、一旦人口減少が始まると、全ての経済活動が縮小していく。これは誰もが考えれば理解できる自然の摂理とも言える現象だ。しかし、不思議なことに効果的な対策は、全く行われていない。

人口を増やさなければならない、と言いながら、女性が働きやすい社会を作るという。働いていると子供は出来にくいと思うが、国は働けという。このことに反対する気は全く無いが、そもそも夫一人の収入では足りないから妻も働きにでなければならないということへの対策はどうするのか。もちろん逆でも良い。妻一人の稼ぎで家族が生活できるのであれば、何も夫が働きに出かける必要もない。育児に十分専念できるのであれば、子供を持ちたいという気持ちも自然と芽生えるものだ。

子供ができて何が困るか。教育費だ。とにかくお金がかかる。幼児のための手当金などでもたついている政府だが、最も問題なのは、高等教育の学費だ。

現在役人になるのは、ほとんどが小学校時代から受験のために塾に通った者たちだ。子供が小さく、まだ親が三十代で収入がそれほどでもなかった頃に、中学高校と毎年百万円にもなる学費を、六年間苦もなく支払うことのできた余裕のある家庭の出身者ばかりだ。

その者たちの周りには、小学校時代からも含めて、食べることにも困っている人たちというのは、皆無だったに違いない。日本の財務省は国立大学の学費をさらに引き上げるという。そこには能力があっても経済的に恵まれない人への視点がない。彼らは真のエリートではない。

フランスの会社で働いている時に、上司に大学の学費の額を話したら、笑われた。子供がいれば一人当たり数万円の育児手当が出て、大学まで学費がかからない国での年収一千万と、税金だけでなく社会保険料までも含めると4割が国に取られた上に、子供一人の大学の学費を毎年百五十万も払わなければならない国の年収一千万と、どちらが豊かか。誰に聞いてもフランスの方が豊かであると答えることだろう。

社会に出るとわかることだが、働いているふりをしている人がいかに多いことか。仕事が波に乗り調子よく進んでいる時は、業務の量も増え、長時間の勤務になりがちだ。周りにはそれほどする仕事がなくても、自分も同じように仕事をしていることをアピールするために、遅くまで残っている人がかなりの割合でいる。

役人も二枚舌だ。役人も国会対策となれば、こぞって遅くまで居残るらしい。役人を振り回す政治家が最も悪いことは明白だが、国の仕事をしているのだからという自負と、裏腹のおごりも透けて見える。だが、官僚も声を上げるべきだ。

集団の中で働く時には、周囲への同調性は必要だ。特に周囲と違うということだけでいじめられる国家に生まれてしまった者にとっては、カメレオンが周囲に合わせて色を変えるように、仕事がなくてもあるふりをして遅くまで残るというのは、周囲への気配りとしては、一番簡単な方法だ。

このカメレオンのように周囲に溶け込めるという才能は、日本の社会で生きていくためには、必須のスキルだ。この才能は子供の頃から培われてきた才能に違いない。

教師の意向を常に把握する。教室内の力関係を見抜き、当たり障りなく同調する。わからないように弱いやつをいじめる。

このような能力を著しく開花させた者たちは、大学入試も要領よく合格する。推薦で入学する者もいる。会社や役所へ入ってからも同様の変わり身で、先生に取り入ったように上司に気に入られていく。

別にひがんでいるわけではない。世の中とはそのような仕組みであることを共有しようとしているわけだ。そのような人たちの集まりであれば、忖度がはびこるのは当然のことだろう。何をいまさら、だ。

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