- 公務員は職業ですか?
- 公務員という役割
- 公務員の国だった中国・東欧諸国
- 民間と公務員の違い
- 公務員と起業家はまるで違う世界の住人
- 自由民主社会党と何でも反対党
- 日本企業が多国籍企業化したあと、公務員組織はどうなるのか
公務員は職業ですか?
なりたい職業が公務員というデータを見ました。
一位が国家公務員。二位が地方公務員でした。
私は自分自身が公益法人で働いていたことがあり、また友人の何人かが国家公務員や地方公務員になっており、公務員や団体職員は公のために真面目に働く人たちであることをよく知っています。
なので公務員を目指すなんて、夢がない、と言いたいわけではありません。
そもそも、公務員は、「職業」なのでしょうか。
公務員になりたい、という選択肢と並べるのであれば、雇われ経営者、オーナー経営者、大企業社員、大企業契約社員、中小企業社員、自営業者、フリーランス、のどれになりたいですか、という設問をしなければいけないはずです。まず、問いがおかしい。
公務員就職予備校に誘導したい何者かが、データを恣意的に作った感じがします。
公務員という役割
公務員と言っても様々です。
財務省で働く勉強の得意な人たち。
都営地下鉄で働く鉄道好きな人たち。どちらも公務員です。
公務員になりたいとは、役所で働きたい、ということではなくて、路頭に迷うことのない仕事を得たい、ということを表しているだけのことであり、そう考えれば、人気があるのも当然と言えます。
公務員の国だった中国・東欧諸国
かつて、公務員の国が存在しました。
社会主義国です。
いまの中国からは想像もつきませんが、鄧小平が始めた、改革解放以前の中国は、朝が来ても、どんよりとし、街中が死んだように眠っていました。
ホテルに泊まろうと思っても、メイヨー(没有)と言われ、買いものをしようと思っても、メイヨーと言われる。そこに商品があり、部屋が空いているのに。
以前の中国では、メイヨー、メイヨーと一日中言われ続けたものですが、現在の中国では、ほとんど聞くことがなくなりました。
中国だけではありません。東欧諸国も同じでした。
公務員だらけの社会とは、このようなものか、と思いました。
民間と公務員の違い
公務員は徴税権で民間の利益を徴収します。公務員が新たに何かを生み出すことは基本的にありません。利益につながるどうかがわからない、学問、研究の領域は少し違います。しかし、結果が出なくても、責任をとって財産差し押さえということにはなりません。
公務員とは、決められたことを遂行することが任務で、新しいことを生み出すことは、基本的に求められていません。政治家の指示に従って、政策を実行することが求められています。
世の中の仕組みが、法律で定められており、法に従って、世の中が円滑に回るように、サービスを行うだけです。
大企業に勤めていても、基本的な行動様式は同じですが、違うのは、民間企業の場合、新しいモノ、新しいサービスを作り続けなければ、倒産する、ということです。
法律が変わらない限り、前例の踏襲が基本原則となっている公務員と、常に進化を求められている民間企業の会社員とでは、四半世紀も経てば、生き方や考え方が大きく異なってきます。
世の中の激しい変化に、いまの公務員は追いつけていません。
前例踏襲が基本原則なのだけれども、変わらなければならない公務員。でもできない。
ここが日本の課題でしょう。
公務員と起業家はまるで違う世界の住人
起業家の人たちは、極端に公務員制度を忌み嫌う風潮があります。ただ、その気持は良くわかるものです。
すべてのリスクを背負って、事業を立ち上げてきた起業家から見れば、公務員は奴隷にしか見えないのだと思います。
しかし一方、公務員の立場から起業家を見てみれば、胡散臭い、スキあらばルールを逸脱する、ずるい人たち、のようにしか見えません。
そのほとんどが公務員である教員が、起業家を養成できないことは、当然です。
自由民主社会党と何でも反対党
日本は社会主義国でもないのに、最近やたらと公務員を増やす傾向にあります。
復興庁という省庁もいつの間にやらできました。東日本大震災からの復興を名目とすれば、誰も反対できない、ということなのでしょう。
自由民主党と言いながら、自由な競争社会ではなく、社会党が目指していた社会を実現しようとしているかのようです。
かつての自民党は、郵政省を解体して、民間企業に生まれ変わらせました。
JR、NTT、JTも民間企業として生まれ変わりました。
しかし、最近の自民党は、かつての社会党を目指しているかのようにも見えます。中国共産党も資本主義を取り込みました。その真似をしているのでしょうか。
与党が主義主張に縛られずに、野党のやりたいことを先取りして行えば、野党は、何でも反対党になるしかありません。
日本企業が多国籍企業化したあと、公務員組織はどうなるのか
次の段階は、日本の大企業が海外企業に買収されて、多国籍企業になることかなと、考えています。
シャープも日産もいまや日本企業ではありません。NECや東芝、富士通のパソコン製造部門も日本企業ではありません。日本の大企業でパソコンを作っているのは、いまではパナソニックだけ。
企業が海外企業に買収されて多国籍化すると、法人税を日本に収めない工夫が始まります。
シンガポールなら法人税は日本の半分です。言葉にも困りません。
日本の税収は細るばかり。パラサイトする公務員組織は、今後どのように日本の国を立て直していくのでしょう。
孫の世代が心配です。
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