東海道五十三次 十日目
掛川ー袋井ー見附ー浜松
歩行距離 三十七キロ
一日の歩数 五万一千八百四十六歩
5日で靴底がすり減る
掛川は朝から雨。台風が近づいて、さらに秋雨前線の影響で、広く東海から関東にかけて、雨雲が覆っている。
靴は防水なので、全く雨がしみてこない。素晴らしい。しかし、わずか五日にしてすでに靴底がすり減っている。マメは多少回復してきた。
やはりカサがいい
気になるのは台風だ。雨ならカサがさせる。少し不便だが、歩くことは出来る。しかし、台風となると少し事情が変わる。突風の中、カサをさすわけにはいかない。壊れる。従って、今まで温存してきた、三百円ショップのポンチョの出番ということになる。下半身は諦めよう。スポーツタイツは濡れてもそう寒くはない。上半身さえ守れば、体温は維持できる。
ホテルを出た時、雨は止んでいた。ラッキーと思い、歩き始めて、掛川駅周辺の商店街のアーケードが途切れた頃、雨がポツポツと落ち始める。モンベルの超軽量トラベルアンブレラをサイドポケットから出す。実に軽量。もっと早く買えばよかった。七百円の携帯傘とは、出来が違う。高いだけのことはある。
日本全国どこでも同じ規格の住宅。そして、時折古い民家がそこに軒を並べる。町中にはビルが建つが、街道沿いは、基本的には一軒家が続く。景観規制など無いのだが、同じ規格だ。新旧入り混じり方も、なぜかどこも同じ。どこを切っても金太郎飴のように、同じごちゃ混ぜ感で、揃っている。これが、私たちの生きる日本だ。これはこれで良い。良さはある。
国道沿いはどこも似ている
国道一号線は、ちょっと違うようで、また同じだ。日本の有名チェーン店がローテーションを組み時々、忘れた頃に現れる。コンビニ、牛丼、ラーメン、焼肉、寿司、マック。こちらもどこを切っても同じ風景。埼玉と静岡の国道の写真を並べても、たぶん判別は難しいだろう。
国道一号線と旧東海道が重なる時は、コンビニを見つけるのに苦労はしない。しかし、旧東海道が国道一号線から離れると、嫌われたかのように、コンビニは皆無となる。いや、店が無い。
東海道五十三次どまん中東小学校
袋井あたりがちょうど中間地点らしい。どまん中東小学校、という面白い校名の学校があった。履歴書にもこの校名を書くのだろうか。
いまのところ、まだ卒業生に会ったことはない。
昔の宿場に差し掛かると、その土地の名物を並べた店が出現することはある。しかし、ごく稀だ。旧東海道は基本的に生活道路なのだ。地元の人は、東海道五十三次など、あまり気にしていない。ここが日本橋とつながっているのは知っているけれどね、くらいのことである。
袋井、磐田と雨続き
掛川の次は袋井。その次は、磐田。そして天竜川を越えると浜松。カサをさしながら、雨にあたりながら、歩道にできた水たまりを避けて、大型トラックの突風に煽られる。
雨にも負けず、風にも負けず、強い横風で服が濡れても、今日は涼しくて良いねと言い、向こうから自転車に乗ったおばぁちゃんが、よろよろとふらつきながらこちらへ向かってくれば、さっと壁際に避け、後ろから車が近付く気配を感じれば、先にどうぞと進路を譲る。その繰り返し。
浜松到着
七時間歩き、浜松市内がいよいよ近くに見える。一日の労働時間分休みなしに歩き続けるのだ。あなたが九時から働き始めて、昼休みもなく、定時で上がるころ、アクトタワーが大きく見えた。その下が、浜松駅だ。
掛川から浜松まで、実測三十三キロ。明日は豊橋まで三十九キロとあるので、実測は四十数キロになるだろう。三島と静岡ほどの距離だ。明日も上り坂がある。
フルマラソンを走ったことがあるのだから、歩けないわけがない。と自分に言い聞かせる。でも、マラソンコースの場合は、荷物も急坂もない。しかし、止まりさえしなければ、必ず目的地には着く。
明日は晴れなので、台風が来る前に着実に進みたい。明日は七時前に出発だ。
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