中山道
草津宿 朝起きると曇り空。 晴れていると気持ちが良いものだが、街道歩きの場合には、少し曇っているくらいの方が良い。これが真冬ならまだ話は違うと思うが、まだ秋の初めの頃であれば、快晴の日中は暑くてたまらなくなる。 まだ通勤や通学の人々が歩く八時…
高宮宿 高宮宿 前日の雨が嘘のように、外は晴れていた。まだ日が昇りきらない頃にホテルを出て、高宮宿の入口付近にまで戻った。 高宮宿の真ん中には多賀大社の大鳥居が立つ。 大鳥居 多賀大社は伊勢神宮の天照大神の親神である伊邪那岐(いざなぎ)の大神が…
関ヶ原宿 関ヶ原駅前 関ヶ原は雨だった。夏の盛りは過ぎているので、湿った感じはしない。傘をさして、駅を出る。 中山道は多くの車が行き交う。雨の日には、水溜りの水しぶきが襲ってくるので、出来るだけ車道から離れて歩きたいが、歩道もないところでは、…
加納宿 加納宿から先は、ひたすら街中の道を歩く。岐阜の市街地だ。山の中のような寂しさはないが、これと言って何か楽しみがあるわけでもない。 日本の街は、どこを歩いても、ほぼ同じ規格で、道幅も同じ、歩いている人の格好も同じ。でも、ときどき聞こえ…
可児 可児の駅近くのビジネスホテルから、中山道まで約一キロの道のりを戻る。しばらく幹線道路を歩くが、やがて太田の渡しへと道は分かれていく。 太田宿 住宅街の中の歩道をテンポよく進む。しばらく歩くとゆったりとしたカーブが見え始め、曲がり角の内側…
いよいよ中山道最大の難所である和田峠。難所と言っても、富士山や八ヶ岳のような山を登るのとは違い、あくまでも峠道。かつては交通網として人が往来した幹線道路。 とは言え、和田峠の標高は千五百メートル以上。ちょっとした山よりも高い位置にある。天候…
大井宿 朝の五時に起きて、前日買ったおにぎりを頬張ると、直ぐに出発の準備を始めた。 カーテンを開けて、外を見てみると、山の方に大きな雲がへばりついてはいるが、少し霧がかかった感じで、空は晴れていた。 朝の六時にホテルを出ると、大井宿の中はひっ…
中津川宿から次の大井宿までは、三里ほどしかないが、大井宿から先は、山の中に入るので、とりあえずその手前の大井宿まで、進んでおくことにした。 岐阜県に入ってからの中山道は、小さなアップダウンはあるものの、総じてのどかな田園風景が続き、穏やかな…
倉本駅 倉本駅 無人の倉本駅についた後、中山道は集落の小道を辿ることになっているのだが、前日の雨のせいですっかり予定が遅れてしまったこともあり、すぐに国道へ出て歩き始めた。 どこまで中山道を忠実に歩くかということは、その人のこだわりにもよる。…
藪原宿 藪原駅 翌日は駅の改札口を出て、そのまま歩き始めた。朝から雨が降っていて、視界が悪い。駅を出てすぐに国道と合流するが、トラックの跳ね上げる水しぶきが歩道の中にまで飛んでくる。 国道の脇に川が流れているが、この川は昨日までの奈良井川では…
下諏訪宿 梅雨のあとしばらく猛暑が続いていたが、九月の中旬ともなれば、少し涼しくなる。 朝の下諏訪駅は、東京と比較すれば、あきらかに涼しい。むしろ早朝は少し肌寒いくらいで、ウィンドブレーカーを羽織ってから歩き始めた。 下諏訪駅の改札口を出て、…
御代田駅 前日、御代田の駅の脇にあるトンネルを潜り駅の改札まで歩いた同じ道を、トンネルのところまで戻る。 追分から延々と続く長い下り坂は、しなの鉄道の線路を越えて、さらに南の方へ伸びている。 朝の通学時間帯のため、時折、高校生が坂道を気持ちよ…
横川駅を出ると、ちょうどJRバスの軽井沢行きが出発するところだった。 そのようなこともあったせいか、横川まで歩いてきた旧中山道をそのまま歩けばよかったのに、何も考えずに、バスの後を追って国道のほうに出てしまった。 間違えたことに気がついて、…
倉賀野宿 倉賀野の駅から、中山道までの道を歩いていると、すれ違う小学生に声をかけられる。 「おはようございます!」 東京都心では、大人が声をかけてきたら怪しい人と思えと、おかしな事を教えている。こうなってくると、子どもたちが大人を警戒するよう…
熊谷宿 熊谷と聞けば、暑い町という印象が強いと思うが、まだ四月の上旬であったため、とても寒かった。 駅の階段を降りると、北風が吹きつけ、東京よりも空気が冷たい。 朝7時半に熊谷駅前を出発。通勤の人たちが駅へ向かい、また、駅から歩きはじめる人も…
街道歩きをするときに、通しで歩くか、分けて歩くかは悩ましいところです。 通して歩く場合と、分けて歩く場合で、歩き方がどのように違うのか、振り返ってみましょう。 通して歩くメリットとデメリット 東海道を十八日間かけて歩きました。 東京に住んでい…
浦和宿 東北本線浦和駅からすぐのところを中山道は走っている。いや、中山道沿いに鉄道が敷かれたと考えるのが自然だろう。でも、いまや鉄道が主役だ。 浦和駅からほど近い地点から、朝七時に再び歩き出す。 浦和レッズの応援ポスターグッズが街に溢れている…
日本橋 背中に荷物を背負うと、また腰痛の原因にもなりかねないので、荷物はなし。手ぶら歩きだ。 東海道を歩いたのは、まだ夏の暑さが残る時期であったが、季節はもう春。桜の花が日本橋のたもとを彩っていた。 東海道とは逆方向に進む。 まっすぐ一直線に…