Just do it !

とりあえずやってみよう。考えるのはそのあとだ。


石垣島 都市と島

f:id:arisugawag:20240227001113j:image

 羽田空港に着いて、モノレールに乗って都心へ向かうと、既に感覚が都市生活のものに戻っている。どこに席を取るか、どのタイミングで走れば次の電車に間に合うか、島で暮らしていた場合には不要な感覚が都市生活にはある。

 島では空港とフェリーターミナルを結ぶバスが大動脈として大勢の人を運んでいるが、それでも一時間に二本だけ。よなかの二十四時過ぎでさえ、一時間に五本地下鉄が走る都市とは人口密度が違えば、そこに暮らすノウハウも違う。

 島のゆったりとした感覚はこの精緻に組み上げられた時刻表の対称に位置するものなのか。だから、島時間に浸った後には、その時の流れが恋しくなるものなのか。

 既に二十四時を回り翌日となっているが、六本木駅からは大勢の人々が乗り込んでくる。この人たちもまた、東京では無いどこかから、きらきらと輝いて見える都市に吸い寄せられてきたのだろうか。

 都市に暗闇はない。島のあの暗闇が懐かしい。私はまた今日から、小さな青空をときおり見上げて、夜になっても星の瞬く暗闇のない世界を、彷徨い始める。