対岸に石垣島が見える。大きな島だ。泳いで渡れそうにも見えるが、実際に海に出てみれば、波高く、そう易々とは泳げそうにもない。
フェリーターミナルとは別の場所にある西桟橋からは、小浜島と西表島が重なって見える。こちらは、石垣島のようなビルが並ぶ姿ではない。その大きさは、石垣島よりも大きく見えるが、遠い。緑に覆われている。
このいくつかの島の間を船で行き来していた人びとがいて、今もその島と島の間を定期船が行き来しながら生きている。
日頃、私は陸上で生活することを疑いもせずに生きているが、ここでは海を渡ることが日常。竹富島には畑や田は無いようだ。かつては、西表島まで田畑を育てるために渡っていたそうだ。島の中を一通り歩いてみても、畑のようなものは見えなかった。
水は島の中央にある井戸から汲み上げて使っていたという。今でも井戸の底に水が見えた。井戸といっても、直径五メートルくらいの大きな池を、五メートルくらい掘ったような大きさがある。透明であったから、使おうと思えば使えるのかもしれない。でも、今は石垣島と管でつながっているということだから、使うことはまず無いのだろう。
今は船の定期便が毎日十往復前後走っている。これが島と島を繋いでいる。
船から観光客が降りてくる。大勢の人たちが降りてきて、たくさんの足跡を残して帰っていく。ここに落ちるお金は少ない。使うところがほとんどない。入島料三百円を徴収しようとしているみたいだが、任意ではなく、税として徴収するのが良いと思う。