Just do it !

とりあえずやってみよう。考えるのはそのあとだ。


60歳での家購入

 家を買うべきか借りるべきか、という話が、よく話題に上っているが、私の答えは、時と場合による。これしかない。一般論で語っても仕方のない問題を、家を売りたい人、買いたい人の双方で、また、貸したい人などの利害関係者の思惑で、さまざまな意見が飛び交っている。

 私自身は、結婚した後しばらく賃貸で、子供が小学校に入った頃に、東京都港区のマンションを購入。その後、郊外のマンションに買い替え。六十歳目前にして、現在は賃貸マンションで生活中。

 これでまだ若ければ、購入することも考えられるが、今からローンを組んでも、八十歳まで二十数年のローン。収入もないのに、無謀とも言える。一括で買おうと思えば、中古の一戸建てを郊外に買うということもできるが、手元の現金が減ってしまうことのリスクも最近考えるようになった。

 幸いにも、最近はNISAで手元資金を非課税で運用できることになり、不動産に比べれば、手数料がかからず、効率的な運用ができる。不動産は売買手数料だけで購入時と売却時と、往復数百万円もの大金が動くので、よほど良い場所でない限り儲からない。

 二度目の家の売却の時には、なかなか購入者が決まらず、その間、結構なストレスが溜った。今後、年老いた時に売却しようと思ってもなかなか売れずに、手元現金がなくて困る状況を考えると、家はもう買わなくても良いかな、という気分に固まりつつある。

 そんな時に言われるのが、歳をとると家を貸してもらえなくなる、ということだが、幸い私には子供がいるので、子供名義で借りれば貸してもらえるし、公的な家、URや公社などであれば、借りられないということはない。もちろん、貯金などの入居条件がクリアできることが前提にはなるが、今のところは大丈夫そうだ。

 良い場所を安く買えるのであれば、買いたいと思い、ここ数年探してきたが、そのような場所はなかなか見つからず。もしも、次にそのチャンスが来るとすれば、バブル崩壊の時のような状況だから、その場合には、不動産だけではなく、株式市場も暴落しているので、やはり、購入するような気分にはなれないのではないかと思う。

 東京都港区のようなところに住んでいると、周りの人から良いところに住んでいますね、と持ち上げてもらえるが、それ以外には、あまり具体的なメリットもなく、それに気づいた人たちは、数年住んだ後に、世田谷区、杉並区のような郊外へ引っ越していく。