やりがいのある仕事をしたいと誰もが思う。楽しそうな仕事をしたいと誰もが思う。でも、そこにはやりがい搾取企業が待っている。気をつけた方が良い。
やりがい搾取企業は、いくらでも人が集まるので、搾取の構造は改善しない。働いている人も、それが普通と思い込んでいる。さらには、好きなことなのだから満足だ、と思い込む。
昔、旅行会社で働こうと考えて、面接を受けに行ったことがある。業界内では有名な会社だ。
あなたはどれくらいやる気があるの？と聞かれたので、何を答えたかは覚えていないが、その後に言われたことが強く印象に今でも残っている。
あなたの前の方は、給料がなくても働きたいと言っている。あなたにもそれくらいの意欲がありますか？と。
今なら不適切な発言となるが、当時は二十四時間戦えますか、のような広告が連呼されていた時代だ。私は、はい、と答えれば採用になったのかもしれないが、いいえと答えた。
はい、と答えた人が採用になったかどうかは知らないが、少なくとも面接でそのようなことを聞く会社はどうかと思う。
今に至るまで、数百回もの面接をしたりされたりしたと思うが、そのような質問をされたのはそれが最初で最後だ。
最近は、その会社の社名を見ることもないので、きっと消滅したのだろう。そのような会社はいずれ淘汰されるし長くは続かない。
