熱帯特有のスコールは突然降り出すので、いつも空を見上げてそわそわする。でも、傘を持っている人はほとんど見かけず、雨が降るとみな雨宿りだ。
今回は前回の反省をこめて、とにかく便利なブキビンタンにホテルをとった。銀座の裏通りにあるようなイメージの場所だ。
熱帯地方の大都市では、地下街が地上の街を凌駕して栄えている。外は熱いから、皆涼しい地下に潜るのだ。また、雨も突然降るので、屋根のあるところで動けるようにしたいと考えがちだ。
地図を見ると、ブキビンタンからKLCCまで、地上で1.5キロほどあるらしい。その間、空中回廊と地下道で往復三キロ雨に濡れずに移動できる。
シンガポールや香港も地下道がクネクネと伸びているが、クアラルンプールは空中回廊まである。おまけに、ところどころにエアコンがついていて、外気よりは多少涼しい。
熱帯地方は外が暑いので、外を歩こうとは思わなくなる。バトミントンやバレーボールなどの室内スポーツが中心に楽しまれることの理由がよくわかる。
地下道や建物の中はとても綺麗だが、道はそうではない。穴やでこぼこは、歩道を100メートル歩けば、いくつも目に入る。夜道は危ない。たぶんこける。
毎日一万歩歩き続けているので、雨が降ったらどうしようと考えていたが、ここを往復して、ブキビンタンのパビリオンとKLCCのモールの中をぐるぐる回れば、一万歩には到達するだろう。今は雨季ではないので、それほどの心配があるわけではないが、一つ長距離ルートが確保されて安心した次第。
