コロナ前に別の会社で働いていた時に、週一でテレワークできる制度があった。しかし、ほとんど誰も使っていなかった。一人だけ、テレワークしています、と言って、家で仕事をしていても、なんだか適当にサボっているのだろうなと、皆が思うような雰囲気があった。
ところが、コロナ禍のおかげで、テレワークが一般的になり、テレワークと言っても、サボっているとは思われなくなった今、毎日職場へ通うことは考えられない。
ロンドン法人に赴任する社長候補の人が、私の仕事はまずみんなをオフィスに戻すことだ、と言ってロンドンへ旅立って行ったが、ロンドンは今、どうなっているのだろう。
私の担当部門の会議がアジアヨーロッパで時々開かれるが、オフィスらしいところから参加している人は少ない。
オフィスからの場合には、会議室の映像が出てくるが、ほとんどの場合、よくある背景を前に一人で顔を見せているか、顔を見せずに音声だけで参加しているか、という場合がほとんどだ。
私はいま、週一でオフィスに出ているが、テレワークの日には、通勤時間往復二時間半節約できていることで、朝の散歩がたっぷり一時間半取れている。
一周六キロ近くある公園の中を、朝日を浴びながら歩くのはとても気持ちが良い。通勤していた頃は、公園の中を歩くことなど出来なかったので、今はとても快適な朝を迎えられている。
週三日はオフィスに出ること、というお達しがコロナ後に出たが、すぐに延期になった。まだ収まっていないから、ということだったが、その後、まだ通達は出ていない。
都心のオフィスへ通う人たちも以前に比べれば、だいぶ少なくなって、朝の通勤電車が以前と見違えるように空いて、通勤時間も今やそれほど苦ではない。でも、毎日出てこい、と言われたら、今の私はたぶん辞める。
そう思いながら、年金がもらえる日を楽しみに、還暦を迎える日を指折り数えている。
