Just do it !

踏み出そう。やってみよう。考えるのはそのあとだ。


モンゴル ウランバートルの渋滞

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 訪れる前からガイドブックなどで、モンゴル市内の渋滞についての言及があったので、あることはわかってはいたが、実際に訪れてみて、そのカオスぶりには驚いた。誰かが整理すれば良い話だが、誰も整理しないのだろう。整理する人がいれば、そもそもこのようなことは起きない。

 街の中心部には交差点に警察官が立ち、信号があるにもかかわらず、交通整理をしている。それも二人がかりで誘導していたりする。一度、警察官が何かの理由で、交差点内から一時的に出たことがあった。すると赤信号なのに交差点に突っ込む車が出て、青信号側の車が追突するわけにも行かないので、その車の横腹に突っ込むような形で止まることになり、まんまとその車は信号無視して交差点を通過して行った。すぐに警察官が戻ると、またその指示に従うようになったが、その間の数分間は交差点内で車が入り乱れる日本では見たことのない情景だった。

 日本の国土の四倍の広さのところに、三百万人を超える人がいて、その半分以上がウランバートル市内に住むという。鉄道網があるわけでもなく、皆が皆バスか車を使う。市内に川が流れていたり、電車の線路があったりして、南北への移動が難しい市内の交通網だが、ウランバートル市街地を大きく迂回するバイパスがあるわけでもなさそうで、全ての車がメインストリートに入れば、それは誰がどう考えても、動きが止まる。

 草原を自由自在に全方位に駆け巡っていた記憶がそうさせるのか、車の流れも隊列を組んで走るというものではない。思い思いに空いた空間に車の頭を突っ込んで、進路をこじ開けていく、といった、アグレッシブな進みかたをする。道を歩いていても、体の小さい方が道を譲るのが当然で、車も四駆車のような大きな車体の車が我先にと割り込んでいく。

 信号があるのだから守れば良いのに、いよいよ頭に来たドライバーなどは、クラクションを鳴らしながら、少し空いた隙間に突っ込んでいく。交差点で交わる縦横の道それぞれの車が信号を守らなかったら、そこを起点に他の交差点にまで渋滞が波及するのに、そこまで他人の行く末など関知していない様子で、このカオスぶりは他の国ではみたことがない。

 アジアの国ではクラクションを鳴らしながら我先に突っ込んでいく光景はありふれているが、ウランバートルの場合には、道が限られているという問題があるので、これは行政が道路の在り方を見直さなければ改善しない。

 皆わかっている。でも誰も手をつけない。この点に限っていえば、日本の政治状況とよく似ている。