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マンション購入の落とし穴:分譲マンションの現実

 賃貸マンションよりも、分譲マンションの方が一般的に内装が良くみえる場合が多いのは当然です。賃貸マンションは利回りを良くするために、コストをできるだけかけないように作りたい、という意識が働きます。分譲マンションは限りある予算の中で、出来る限り見栄え良く作りたいという意識が働きますので、実際に居住者にとって経済的なメリットがあるか、ということよりも、売りやすい、派手な演出が施されます。

 賃貸であれば、メンテナンスのことまで考えて、あまり特殊な装置は使用しないようにするし、分譲であれば、流行を取り入れて、あとで改修費用が余計にかかろうとも、見栄えのするビルトイン式の洗濯機を標準装備にしたりします。

 賃貸の良さは管理をマンションオーナーがするというところにあります。分譲であれば自分たちで管理しなければならず、数百戸規模のマンションならおかしな人が一部いたとしても、無視できる数になりますが、少数戸数の分譲マンションの場合には、一人が管理費を滞納するだけで、管理組合の運営に支障をきたします。

 マンションの管理組合の理事はたいてい無償の奉仕で持ち回りで行うことが多いのではないかと思いますが、年に数回休みの日を潰して集まることは、結構な負担になります。

 東京港区辺りの分譲マンションでは、投資目的のオーナーが、話のわかる人たちだけで理事を固め、素人が口を挟まないようにして、利回りを追求する、そんな組合運営をする場合も多いようです。私の住んでいたところはそうでした。あれよあれよという間もなく、話のわかる人たちだけで、管理が進み、ある意味私のような素人は楽です。

 郊外では、逆に、理事の押し付け合いが発生して、自分たちの資産維持という観点が全くない人たちの烏合の衆となる場合もあるようです。まさに、私が住んでいたところはそのようなところでしたが、最初の理事だけは、不動産会社が事務能力の高い人たちを抽選と言いながら、ご指名して、スムーズに事が運ぶようにしていたように思います。初めはうまく回っていても、理事がその後変わると、そのマンションに住んでいる人の民意の平均値に落ち着くので、多数決で決まる理事会運営は、マンションが古くなるにつれて、困難さが増すように思います。

 分譲マンションの理事も経験した上で、やはり分譲マンションを買いたいか、と問われれば、もういいや、という気分です。出来ることなら一生賃貸が良い、というのが今の所の結論。買って良いと思うのは、プロオーナーの集まる新築マンションの最初の十年だけで、それ以外は、買うなら一戸建てしかないかな、と思うものの、買っても良いと思えるところにはもはや買えないので、このまま借家暮らしを続けようと、今はそう思っています。