短期で売るならマンションしかない。マンションの方が値落ちがしにくい。木造建築と鉄筋コンクリートでは、耐用年数が大きく違うので、当然償却期間の短い木造の方が値段の下がる速度が早いことは理解できる。
一方で、戸建ては土地が残る。新築直後から建物の価値は急速に下がるかもしれないけれど、土地の価値はそれほど変わらない。長く住むなら戸建ての方が良い。
マンションは古くなった時の修繕費が多くかかる。戸建ては同じように修繕費が必要だが、自分の判断で全て決められる。マンションの場合は管理組合で決めた内容に従うしかない。
高層のタワーマンションなどは、低層マンションに比べて費用がかかることは容易に想像出来る。新しいうちは管理費や修繕積立金も低額で、低層マンションとそう変わらないが、投資目的の人たちが出て行った後、残った人たちが二十年、三十年住んだ後の修繕費は低層マンションと比べれば、かなりかかることだろう。
マンションは立地が重要だ。駅から遠いマンションは、売れない。戸建ての場合は、土地に制限があるので、ある程度離れていても仕方ないとの諦めもつくが、狭いマンションなのに駅から離れていたら、戸建て以上に人気は下がる。
マンションは管理費と積立金がかかり、また、管理組合の運営にも時間が取られる。
私はマンションの管理組合の理事をしたことがあるが、四半期に一度集まって色々決めていくので、年に四回の週末はつぶれる。総会を入れれば五回。避難訓練を入れれば六回。
あまりない経験なので、勉強にはなるが、やはり時間は取られる。
戸建ての場合は、そのような面倒はないが、周囲の住人との関係を良好に保ち続ける努力が必要だ。マンションのように、隣の人の顔がわからないということはあり得ない。周囲の環境もマンション以上に重要だ。隣がゴミ屋敷になったら、もうその家は売ることができなくなる。ずっと売れていない家があったので、見に行ったら、隣がゴミ屋敷だった。そのような家を買ってしまったら、もう蟻地獄のようにその家から抜けられなくなる。
そう考えると、賃貸も良いな、と思える。
買ってうまく住んで売れると儲かるが、売れない家だと払い切るまでそこに住み続けなければならない。
家の問題は、本当に難しい。
