Just do it !

とりあえずやってみよう。考えるのはそのあとだ。


子の結婚式

 長男が結婚した。コロナ禍で、披露宴をあげない人も多いようだが、時期をずらして行うことにしたようだ。

 私が結婚したのは三十年くらい前。今の長男と同じ年のころに結婚したことになる。すぐに長男が生まれて、歩くようになり、幼稚園へ行くようになり、小中高大と、その都度受験の準備に追われて、つい先日就職したと思ったら、結婚。気がつくと、私ももうすぐ還暦。

 お嫁さんの家も三人兄妹。我が家も三人兄弟。子供が多いと、経済的には大変だけれど、家の中は楽しい。子供がいれば、FIREなんて絶対に無理だけれど、財産なんかできなかったけれど、それでも良かった、と思っている。

 子供が皆家を出て行って、今は二人だけの生活になっているので、実に静か。何の変化もない毎日が過ぎていく。子供がいた時には、何かしらの問題が、日々沸き起こっていた。経済的には常に苦しい状態が続くので、お金があれば解決する問題が多かったような気はするけれど、なんとか乗り越えてきた。

 人は何のために生きるのか、という、人類にとっての永遠の問いがあると思うが、私は思い出を集めるために生きている、と思っている。

 苦しいことも楽しいことも、過ぎて仕舞えば全て思い出。思い出したくないことも、苦しいことも、苦くて思い出すだけで泣きたくなることもあるけれど、全部終わった時には、それが全部自分の生きた証となって、アルバムのようにどこかに残されるのだろうな、と予感している。

 子供が結婚すると、春夏秋冬季節が一巡りしたような気分になる。

 孫が結婚した時には、二周終わったような気がするのかな、と想像している。孫ができると良いな、と思っているが、できるかどうかはわからない。できない人も多いから、こればかりは、どうにもならない。

 還暦を目前にして、淡々と日々を送っている。

 これがジジイになるということなのだな、と、二周目を目前にし、実感している。