Just do it !

とりあえずやってみよう。考えるのはそのあとだ。


ずっと働きたい人

 私はぼーっとするのが好きだ。ぼーっと公園のベンチで歩いている人を見ていたりすることが好きだ。でも、ぼーっとしていることにお金を払ってくれる人がいないので、私は毎日働いている。毎日と書いたが、嘘です。私は週に三日くらい働いている。三日くらい働けば、ギリギリ生きていけるだけの収入になるので、最低限週に三日は働いている。

 他に仕事はしていないのですか、と聞かれることもあったが、今はしていない。三十代の頃は、フルタイムで働きながら、別の会社の手伝いなどもしていたことはあったが、それも、働いているというよりは、先輩の会社に遊びに行っていた、ようなものだった。今で言うところの、複業というところだろうか。ボランティアで同窓会の手伝いと、音楽教室の手伝いをしていたこともある。これらは無報酬だ。でも、音楽教室では、その後働くことにもなったので、あながち無意味であったわけでもないが、あまり収入にはこだわらずに、やりたいかやりたくないかで、その時々に顔を出すところを決めてきた。

 関心のないことを続けることは苦痛だ。お金をもらっても苦痛だ。今の仕事は、他に出来る人が周りに見当たらないので、とりあえずやってはいるが、出来る人がいれば、変わって辞めても良い。でも、一度辞めて、また働き始めたのは、今の仕事が向いているからなのだろう。自分でも向いているような気はする。

 これで、今の仕事が好きでたまらない、となれば、ずっと働きたい、となるのかもしれないが、向いていることと、好きなことはまた別なので、ずっと働きたい、とはならない。

 自分の好きな人が、自分を好きでいてくれることは、奇跡なのかもしれない。私にもそんな仕事との出会いがあることを期待して、この歳にまでなったが、そんなこともなかった。

 なので、私はぼーっとするのが好きなのかもしれない。