コロナ禍前は、老後の長期滞在先として、マレーシアは良いなと思っていた。台湾やベトナムなども考えたことはあるけれど、オーストラリアやシンガポールほど物価は高くないし、住みやすいかな、と思っていたわけだが、ここ数年で環境が大きく変わった。また、私の考え方も変わってきた。
基本的に暑いところは苦手なので、日本が寒い冬の時期に、避寒するということを考えていたけれど、散歩好きな私は今回外を歩き回って、熱帯地方で歩き回ると、熱中症になる、という当たり前の事実に今更ながら気がついた。
還暦を前にして、最近自分は何をしている時が幸せなのだろうということを考える。すると子供たちが独立して家を出て行った今、久しぶりに家族が集まったときのその時間が一番嬉しい、という当たり前のことに気がつく。
今回は妻を家に置いて一人で出てきたわけだが、ユーチューバーのようにせっせと誰かに何かを伝えることが目的でもないので、特にすることもない。ホテルの部屋のテレビをつけても、マレーシアの言葉で放送しているので、何をいっているのかわからない。すると、日本にいるときと変わらない、動画を見ていたりする。
知らない街に行くと、街の探索に出かけるのだが、暑くて歩き回ると倒れそうになる。日中、何キロも歩き回る人はいない。
五年ぶりなので、前回訪れたところへ再度行ってみたり、新しいショッピングモールを訪れたりしたところで、物欲もない。歳をとるということは、色々な欲を落としていくことなのかもしれないと最近は思う。
