石垣島では、東京とは違う地元局が放送している。従って、東京と同じ気分でチャンネルを変えていると、いつもの時間でいつもの番組が放送していない。
若い世代はテレビなど見ないのだろうが、長年染みついた習慣で、同じ曜日と時間になるとテレビをオンにする。でも、東京と違うので、どのチャンネルに合わせれば良いかがわからない。
それぞれの土地にはそれぞれの時間が流れている。船に乗り、島に渡ると、その時間に体が慣れていく。東京から石垣島に入ると、少しゆったりとした気分になるが、さらに離島に渡ると、さらにのんびりとした気分になる。これは、常に海から風が吹いているせいかもしれない。見渡す限り何も見えない海に囲まれていると、雄大な気持ちになる。海と大地と空と一体となったような心地で満たされる。
ホテルに戻り、つい癖で、テレビの電源を入れる。すると、すぐに東京の感覚に寄せられる。メディアの力とは凄まじい。体の中にある体内時計が強制的に東京の流れに合わせるような力がある。
せめて、滞在中はテレビをつけないようにしようと思う。
